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「これ以上の暴行は許しません!力ずくでも制止します!」
吉井と呼ばれた女が拳銃を抜き、黒スーツの一人が、応戦するように自分のホルスターに手を掛けた。
一瞬早く、吉井は正確な射撃で眉一つ動かさず男を殺した。
「動いたら撃つわよ、警告が後になっちゃったけど」
安い人道主義者を演じて妨害するつもりだったが、早々に化けの皮が剥がれた。
そして銃口を瑠璃に向ける。
「こっちの方が効果的よね?動いたらこの子を殺すわ」
「たすけて…たすけて…!」
瑠璃が泣きながら、拷問者たちを止めた吉井に哀願する。
吉井は油断なく瑠璃に近寄ると、錘を吊った鎖に足を掛けた。
「どういう理屈なのかはよくわからないけど…」
そのままぐいっと踏み込む。
激痛に瑠璃が絶叫する。
「こうしておけば、最悪わたしの記憶は保持できるのよね?」
ぐりぐりと捩じ込むように鎖を踏むと、必死に痛みから逃れようと瑠璃が身を捩る。
「痛あああっ!」
あまりの痛みに瑠璃が失禁して、小便が吉井の靴にかかった。
カッとなって全体重をかけて鎖を踏もうとして、思いとどまる。
「危ない危ない、瑠璃ちゃんの策略に乗せられて、作戦成功させちゃうところだったわ」
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