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吉井は左手で瑠璃の胸を鷲掴みにすると、爪を立てて思い切り捩じった。
「いぎゃああっ!」
「あはは、お仕置きよお仕置き!」
この女も、人道からほど遠いところにいる様だった。
「関係者すら限られた記憶しか保持していないこの会合…辿り着くのに苦労したわあ」
リセットを妨害するつもりならさっさと瑠璃を殺してしまえばいいものを、そうしないのは吉井も生きてここを出る為の切り札として、ギリギリまで持っておきたいのだろう。
「ねえお兄ちゃん、あなたどうしてこの能力に気が付いたの?普通絶対わかんないよねえ?」
浄一は不機嫌そうに睨み返した。
「家で、瑠璃が跳ぶまで拷問したからに決まってんだろ」
「ふうん、きみがヤバイ変態だったってわけね」
普通に納得したような反応をする吉井も、倫理観などとうに壊れたプロの殺人者なのだろう。
半年ほど前、妹をいくら犯しても満たされず悶々としていた浄一は、偶々中世の魔女狩りの本を読み、激しい欲情とともに悟った。
俺は瑠璃にこれがしたかったのだ!
兄妹二人だけの家で、妹を殴りつけ、縛る。
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