リセット&エンドレス・サマー

9/17
前へ
/17ページ
次へ
 だから、目の前で始まる少女への拷問に動揺する者がたまに出る。  男たちが宥めに行くのを見て、浄一は作業を続けた。  天井から垂れているロープを首と腕に結び、木馬からずり落ちることも、体勢を変えることも出来ないようにする。  瑠璃は跨っているだけでも耐えがたい激痛に苛まれ、泣きながら助けを求める。  「瑠璃はこれから死ぬまで拷問されるんだよ、致命傷になるような大けがはさせない、痛くて痛くて死んでしまうような目に遭わせるんだ」  「やめてお兄ちゃん!やめてえっ!」  瑠璃の瞳がひときわ大きく見開かれたのは、浄一が手にしている物が何であるかを悟ったからだろう。  それは両足を木馬に跨った状態から逃れられぬようにする為の、鎖で繋がれた足枷、その中心には錘が吊られている。  泣き喚く妹の表情に恍惚としながら、浄一は足枷を嵌め、すとんと錘を落下させた。  「ひぎいいっ!」  錘が脚を引っ張る衝撃で敏感な部分が抉られ、痛みに絶叫する。  「こらっ!邪魔をするなあっ!」  「吉井さんっ!あんたもレクチャーは受けただろう!」  浄一が黒スーツたちの方を振り向くと、騒動は一層混乱の度合いを強めていた。
/17ページ

最初のコメントを投稿しよう!

3人が本棚に入れています
本棚に追加