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だから、目の前で始まる少女への拷問に動揺する者がたまに出る。
男たちが宥めに行くのを見て、浄一は作業を続けた。
天井から垂れているロープを首と腕に結び、木馬からずり落ちることも、体勢を変えることも出来ないようにする。
瑠璃は跨っているだけでも耐えがたい激痛に苛まれ、泣きながら助けを求める。
「瑠璃はこれから死ぬまで拷問されるんだよ、致命傷になるような大けがはさせない、痛くて痛くて死んでしまうような目に遭わせるんだ」
「やめてお兄ちゃん!やめてえっ!」
瑠璃の瞳がひときわ大きく見開かれたのは、浄一が手にしている物が何であるかを悟ったからだろう。
それは両足を木馬に跨った状態から逃れられぬようにする為の、鎖で繋がれた足枷、その中心には錘が吊られている。
泣き喚く妹の表情に恍惚としながら、浄一は足枷を嵌め、すとんと錘を落下させた。
「ひぎいいっ!」
錘が脚を引っ張る衝撃で敏感な部分が抉られ、痛みに絶叫する。
「こらっ!邪魔をするなあっ!」
「吉井さんっ!あんたもレクチャーは受けただろう!」
浄一が黒スーツたちの方を振り向くと、騒動は一層混乱の度合いを強めていた。
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