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ココはもう一度俺の顔を見て、「ミャー」と鳴いた。頼むから途中で動かないでくれ、と俺は声を出さずに祈った。
車は駐車場を滑るように出発して、県道を進んで行く。
あれっ、汗も出ない。心臓の音も聞こえない。いつの間にか、猫恐怖症が治っている!
ココと目が合うと、かわいいと素直に思えた。
「ココにそんなに気に入られたんだから、パパとママもあなたを気に入ってくれるはずよ」
バックミラー越しに、由香と目が合った。
逆転勝利だ、と心の中でガッツポーズをした。
(了)
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