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【苺花……帰ったら、話さなければいけないことができた】
不穏なメッセージが送られてきたのは、わたしが退社してから間もなくのできごとだった。
今思えば、雅也くんと運命のような出会いをしてから早くも8年くらい経った。
いくら運命的だったとはいえ、こんなに続くとは正直思っていなかった。
大学生の頃、わだかまりのあった雅也くんと彼のお父さんは、直接話し合う機会を作り、それを解くまでには至らなかったものの、一歩前進した。
好転したのが幸いし、年に数回継続するに至り、少しずつ距離を縮め、何度目かのそれで雅也くんはわたしのことを紹介してくれた。
とりわけ認められたわけではなかったけれど、拒否されることもなく、別れを強要されはしなかった。
そして、お互いが大学を卒業し、新社会人となった年に、同棲を始めた。
順調に進んできていたと思ったのに、彼の言う「話さなければいけないこと」というのは、いったいなんなのだろうか。
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