その7・腹が減っては戦ができぬ

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 どれくらい時間が経過しただろうか。時計を見ていなかったのでわからない。唐突に佐藤が口を開く。 「広瀬は?」  何を言いたいのか、よくわからなかった。思わず横を見る。私がよっぽど不思議そうな表情を浮かべていたんだろう。佐藤が問い直す。 「広瀬は、何か変わったこと、あった?」  変わったこと。いろいろあるよ。  杉山ちゃんがぐんぐん成長してて、なかよくなれて嬉しい、とか。一人でごはん食べるのが嫌でつい外食しちゃって太った、とか。  そばに、佐藤がいない、とか。  そんなことを聞きたい訳じゃないよね。単なる時間つぶしだ。 「冷蔵庫がついに壊れた」  佐藤の表情をうかがう。特に表情の変化はない。以前と同じ飄々とした感じ。 「……そう」  返事はその一言で、それから牛丼が運ばれてくるまで、二人とも無言だった。
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