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「じゃあ、私は?」
「ロックで骨太」
「それ、褒めてんの……?」
「いいじゃん、かっこよくて」
ロックで骨太って、普通、褒め言葉でも欲情してる人の言葉でもないよねえ、と思うけど、なんだか嬉しそうだから、いいや。
普通とか普通じゃないとか、正しいとか正しくないとか、そんなんより、二人が合ってるかどうかが大事。色気ゼロだけど、私達らしい気はする。
私が動き始めると、祥の笑顔が深まる。
「気持ちいいの?」
「気持ちいいのもそうだけど、遥が楽しんでくれてて、嬉しい」
「うん。楽しんでる」
「この顔見たら、前は誘導してただけだったなあと、少しくやしくなった」
祥の笑顔に少しだけ陰りが見えたので、ちゃんと伝えることにする。
「不安はあったけど、あの時はあの時で、祥を失いたくないって思ってたよ」
「……そっか」
「これからいっぱい楽しめばいいじゃない、お互い」
「うん」
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