その9・のぞむところだ!

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「じゃあ、私は?」 「ロックで骨太」 「それ、褒めてんの……?」 「いいじゃん、かっこよくて」  ロックで骨太って、普通、褒め言葉でも欲情してる人の言葉でもないよねえ、と思うけど、なんだか嬉しそうだから、いいや。  普通とか普通じゃないとか、正しいとか正しくないとか、そんなんより、二人が合ってるかどうかが大事。色気ゼロだけど、私達らしい気はする。  私が動き始めると、祥の笑顔が深まる。 「気持ちいいの?」 「気持ちいいのもそうだけど、遥が楽しんでくれてて、嬉しい」 「うん。楽しんでる」 「この顔見たら、前は誘導してただけだったなあと、少しくやしくなった」  祥の笑顔に少しだけ陰りが見えたので、ちゃんと伝えることにする。 「不安はあったけど、あの時はあの時で、祥を失いたくないって思ってたよ」 「……そっか」 「これからいっぱい楽しめばいいじゃない、お互い」 「うん」
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