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「あ……好き……っ! 祥……大好き……」
思わず口走ってしまう。途端に祥の動きが荒くなった。
「んっ……!」
堪えきれなくなった祥が私の中で射精する。なんだか今までで一番激しく出してる気がする。今日、二度目なのに。とりあえず、受け止めて、背中をさすった。
「俺が、全面的に、間違ってました……」
すごく申し訳なさそうに、消え入りそうな声で、祥が言う。
「え? えっ……? 何が……?」
「好きって……言われるの、すごく……嬉しかった……」
そう言って私をぎゅうぎゅう抱きしめる。私も抱きしめ返すけど、なんか、こんな甘えた祥を見るのは初めてな気がする。
あ。私も、好きって言ったこと、なかったんだ、と今更気づく。悪かったような、でも言えない状況にしたのはそっちなんだから! という気もするような。
まあ、終わったことは終わったことだ。許せ。許す。
「祥が全面的に間違ってたなんて、思わない。言葉にできない気持ちも、言葉にしなくても伝わる関係に憧れるのも、わかるもん」
謝罪の気持ちも込めつつ、私からキスをする。
「祥、大好き。これからも、たまには言ってよね。私はいっぱい言うから!」
笑顔でそう伝えると、祥は少し困ったような表情を浮かべる。そして、私の耳に口を近づけると、すきです、とごく小さな声で言った。幼い子がぽろっと気持ちを口にしたみたいな、そんなイノセントな感じがして、なんだかすごくくすぐったい気持ちになった。
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