罪綴じ

異世界人、襲来

　いつも通りの平和な日本にある田舎町に、それは突如現れた。

　天色の空が裂け、ひとりの青年が降ってきた。目撃者によれば、青年は嘘みたいな美貌を持ち、変わった格好をしていたという。ファンタジー系のRPGに出てくる魔術師のような服装、と言えば伝わるだろうか？
　顔立ちは明らかにアジア人ではないが、西洋人とも違う。西洋人に似た顔立ちではあるが、空想の生き物のような印象を受けたらしい。

　青年は人々を手当たり次第に襲い、ある物に変えて回収していった。物体になった彼らがどのようにして運ばれたのか、どこにあるのかは不明である。
　青年は世界各国に出現しては人々を襲い、ある物に変えて回収していった。

　各国のお偉いさん方は白旗を掲げ、青年に話し合いを持ちかけた。その日を境に、世界から刑務所が消えて行き、青年も姿を消した。