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いつもと同じ道、昨日と同じ道。またあの子に会った。あの子はニャオウと一声鳴いて、そうして昨日とは違ってゆっくりと、まるでついて来いとでも言うように動いていく。やっぱり足があるとは思えない高さでするすると動くその子になぜか私はついて行く。
その子はたまに振り返りながら近くに住んでいる私も入ったことのないような路地に進んでいく。やっぱりついて来てほしいのだろうか。それとも何か見てほしいのか。そんなことを考えながらついて行った先は塀に囲まれた行き止まりだった。正面の塀をどうやってかするするとのぼったその子はこちらを向いて、ニャアンと一声、大きく、おおきく口をあけて。私の感覚はすべてなくなった。
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