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その時、ぼくは雷に打たれたような衝撃を受けた。
それは、ぼくの知らない世界の扉がいきなり開いた瞬間だったと思う。
花園幼稚園、年中、フリージア組の時のことだ。
その頃、ぼくは、幼稚園バスに乗って毎日朝夕通っていた。
原田さんという広いお宅の玄関先をお借りして乗り降りさせてもらっていた。
ある日のお帰りの時のこと、
朝まで原田さんちにあった古いセダンの車が真っ白の外車ベーンツに変っていたんだ。
その時、母親が「あれはね、ベーンツっていう外国の高い車なんだよ」と教えてくれた。
ぼくの身体に電流が流れたような気がした。
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