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俺は思わず真っ白い城下町に駆け出した。
途端に、盗賊衣装がぶすぶすと白い煙を出して腐り出した。
不思議と、寒くはなく、熱くもない。
「うへえええ!!」
「あなた! 全住民に告げよ! 家や建物の外へ出るな! と!」
俺がなんともいえない寒気で両肩を撫でていると、ソーニャがそれを見て、さすがに事の深刻さを知ったようだ。傍にいる近衛兵に叫んだ。
マルガリータはヒッツガル師匠を箒へ乗せて、船へと急いだ。
俺は船に乗る前に、この白い煙の元凶を全て退治することにした。駆け出しては、神聖剣で幾つもの獣をザックリと斬り捨てていく。
軽いステップで、獣の爪や牙の攻撃を躱しては、止めの一撃をお見舞いした。数こそ減ってきたが、獣はまだ大量にいた。
城下町の図書館辺りまで斬り結んでいくと。
俺はゾッとした。
このままでは、グレート・シャインライン国の国民が全滅してしまう!
だが、国民の悲鳴も声も何も聞こえない。
その中で、俺は破れかぶれに、近づく獣を斬りまくった。
「うらあああーーー!」
俺はぶすぶすと腐り落ちる盗賊衣装を脱ぎ捨て、元の学ランになった。王族衣装は着ていない。城の中だけと決まっていて、戦闘はやはり盗賊衣装だ。
さすがに疲れで、俺は荒い息を整えていた。
いきなり、後ろからドスっと、鈍い音がした。
「う!!」
俺は振り向いた。
獣の牙が肩のすぐそばに忍び寄っていて、今にも俺の身体を噛み砕いてきそうだった。
だが、ソーニャのサーベルでの突きが、獣の心臓を捉えていた。
獣は絶命した。
「あなた! 無茶よ! 今、グレート・シャインライン国領土の全国民へと伝令班を向かわせているから!」
そして、機転を回したんだ。
「相手は違う!! あなたのその剣は、真の元凶を倒すことができるのだぞ!」
「……わかったよ……ソーニャ……」
「さあ、船へ!!」
「よし!! 行こう! 白と騎士の国へ!!」
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