終章 教室の窓際から

6/11
前へ
/127ページ
次へ
 一体?? 「ふん! 魔王と呼べばいいのか? 暴君クラスド・エドガーは……。とりあえず一度、会ってみるんだな。敵わないと思ったら、逃げればいい」 「うん??」  クシナ皇帝の言葉を少し噛み砕いて、頭の中で整理してみる。  白と騎士の国の最初のクラスド・エドガーはハイルンゲルトと一緒に倒した。というか、ほとんどがハイルンゲルトの鋼雲剣だったけど。  1000年も生きている最強と呼ばれたクラスド・エドガーも、四大千騎士最強のハイルンゲルトの方が強かった。  暴君クラスド・エドガーは1000年も生きている……魔王?? そうか、魔王クラスの強さか……。  俺は頷いた。  大丈夫だ。  こっちにはハイルンゲルトとハイルンゲルトの力を借りた俺がいるんだ。 「いや、倒すぜ」  俺とハイルンゲルトなら必ず勝てる。   「そうだ。これも民のため。なあ、あなたも同じことを考えたようだな。……そうだろ」 「ああ、でも。グレート・シャインライン国だけじゃないんだ。全部の国の民のことだ」 「ああ、私もだ」  周りの人々が深い安堵の溜息を着くと、俺は意外に思った。ソーニャもそのつもりだったからだ。    その時、病室の扉が勢いよく開いた。 「もう、行くぞ! 相手が物凄いスピードで攻めてきたんだ!」 「鬼窪くん……あ、鬼窪王! 敵は魔族よ! 獣のような姿で羽が生えていて空を飛べるみたい! 凄い数よ」  ヒッツガル師匠とマルガリータが顔面蒼白で叫んだ。 「わかった!」 「そうか。わかった」  俺は、神聖剣を鞘から抜いて、グレート・シャインライン国王城の正門まで、走る。途中、武器庫からソーニャは珍しく真っ白な盾を用意した。  城の外へ出ると、額に汗を浮かばして、正門まで駆けると俺は驚いた。真っ白い煙がグレート・シャインライン国の城下町全体を覆っていた。
/127ページ

最初のコメントを投稿しよう!

19人が本棚に入れています
本棚に追加