終章 教室の窓際から

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 俺とソーニャは、グレート・シャインライン国の王都用の港まで走りに走った。城下町から命からがら王城へたどり着く。そして、城門から坂を降りていくと、徐々に視界がモヤモヤとし白くなってきた。  辺り、いや、もうすでに。  グレート・シャインライン国全体が白い煙で覆われだしていた。  行き交う通行人もいない。  ただ、腐った死肉が地面に落ちているだけだった。 「ソーニャ……すまない……俺のせいだ……」 「いや、気にするな。あなたも国王として当然のことをしたまでだ……これが私たちとこの国の最後だとしても……」  物凄い悪臭と白い煙に包まれた俺とソーニャの学ランや鎧が、ぶすぶすと腐りだそうとした。  ここで死ぬのかと思った。  その時!! 「強制転移!!」    遠くから西田の声が聞こえた。  気がつくと、俺とソーニャはグレート・シャインライン国で一番速い船。  白き輝く希望の操舵室にいた。  操舵室は一度見学をしたことがある。  前にソーニャから聞いたんだけど、過去のソーニャが四大強国の兵に囲まれた際に、王城から逃げる時に、ラピス城へこの船を使ったと言ったからだ。   白き輝く希望という名の船は、その名とは違い灰色な船は、王族脱出用の超加速船だった。  この船は、四大強国の一番速い船でも、追いつけなかったといわれているんだ。  
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