終章 教室の窓際から

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 途端に、俺の身体が緑色の光を発して、五感が異状なほど研ぎ澄まされた。腕や足、身体そのものがまるで、なくなったかのように軽くなる。 「よーーしっ! なんとかなるか! みんなも任せたぞ!」  大海原のど真ん中で、大量の獣とナイツオブラストブリッジとクラスメイトが交戦する。  俺は獣の大軍へと全力で突撃した。  一体の獣が白い煙を吐き出したが、煙ごと神聖剣でぶった切った。   神聖剣は白い煙を受けても無事だったのだ。  後ろからの獣の攻撃は、振り向いて、逆袈裟斬り。  そのまま前に右足を送り、左足を踏み込むと、一太刀で二体、三体、獣を斬る。  しばらく、甲板で獣たちを斬っていると、無数だと思えるその数がだいぶ減ってきていた。俺は船を守り通すことができたと大きく息を吐いた。  だいぶ、疲れてきたなあ。   「きゃ!」  その時、空から一体の獣が白い煙をマルガリータに吐きかけてきた。  マルガリータも空ではなく甲板で、戦っている。 「マルガリータ!」  魔女であるマルガリータに、この動きは無理だ!  俺は速攻で、マルガリータの面前に立ちふさがろうとした。だが、 「転移!!」 「がら空きよ!」  その獣の背後に突然、姿を現したのは、西田の転移魔法で瞬間転移した猪野間だった。  獣が断末魔を上げる。  猪野間の刀で心臓を一突きだった。    俺は白い煙を神聖剣で上段から白い煙へ振り下ろす。  白い煙が左右に霧散した。   「みんな! 休憩時間だ! うりゃーー! 範囲完全回復魔法!」  通小町が俺たち、ナイツオブラストブリッジとクラスメイト全体に回復魔法を唱えた。  巨大な光が俺たちを、いや、甲板ごと包み込んだ。  お蔭で、俺の体力はすぐに全快になった。    「がんばれ! そのまま勝つんだ!!」  通小町は、なんと甲板の端っこを陣どって、回復魔法を唱え続けた。  これによって、俺たちは不死で無敵の戦士になった。
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