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『とうあずき姫』創作秘話 by春野わかさん
『何でこんなの思い付いたのか、いつ方向性が決まったのか覚えていません。
ただ面白い毒ないかなと探して、とうあずきを見た瞬間決まりました。
始めはアメリカが舞台の予定でした。ウエスタン、とうもろこし畑の片田舎。ロシアンルーレット心中とか。ちょっとコメディなロミジュリで一方が死ぬと一方が生き返るのも面白いな、などと考えていました。
そこら辺のアイディアは「とうあずき姫」の中にも残されてます。
けっきょく平安朝風舞台(本当は室町)になった訳ですが……問題は言葉です。歴史物の場合は常にそこで悩みます。時代感を出せるのも言葉だけど、やり過ぎると訳が膨大な事になってしまう。
内容から公家の姫君、京都御所を想像すると思うんですが、御所言葉は使わず武家風の言葉にしてます。武家の方が一般的に馴染みがあるし、時代場所をぼかすのが目的でもあるんですが、本音の半分は調べるのがメンドーだからだったりもします。
反面、読まれやすさを追求するのに疲れてて、フリマだしもういいじゃんって開き直って常用じゃない言葉や古語を使って好きにやらせて貰いました。
誰が読むんや、と自分にツッコミながら。
ただ意外とシンプルな話かもしれません。因果応報で悪は地獄に落ちるという。
性と生と死、破滅みたいのが大好きなんですよ。
「けっきょく皆クズじゃん」という感想頂けたら、それが一番的確な感想なんじゃないかと思います。
一番鬼畜なのは作者でしょうね。
ラストはほとんど拷問か刑罰。地獄極楽。
これからも春わかワールドあるあるの毒のある作品書いてけたらなって思ってます。』
私は、ひとりの人間のこだわりが詰まった作品がいちばん面白い!って思っています。
ただ、こだわりを実現するって実は難しいことですよね。わかさんはあえて声高には言わないけれど、こだわりを表現する手法を磨くには、相当な努力をされていると思います。
今作も、「毒」と「美しい残酷さ」が、わかさんの手によって恐ろしく迫ってきます。
コメント欄に作品紹介動画を貼っておきます!
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