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『時間停止恋人』
拙作『時間停止恋人』について紹介させてください。
物語の扉絵に描かれているのは電話ボックスです。
今作は、電話ボックスに入っている女の子と、それを外から眺めている男の子の話です。
第151回妄想コンテストで「続きが読みたい賞」をいただいた『雨は毛布』という作品があります。今回、せっかくのなので、本気で続きを書こうと思ったのですが、結果的には別の話になってしまいました。キャラクターは『雨は毛布』と似通った部分があります。
ショートカットの、いささか投げやりな女の子って好きなんです。女の子と男の子で話者が交代する、という部分も残っています。
私にとって、心中というテーマがとても重く感じられたので、今までにないくらい何度も書き直しました。
死を選ぶ、その過程を想像すると辛いのですが、生きていく、ということも同じくらい苦しい。今作では、「生き残った」側の辛さに焦点を当てて書きました。
今作で使った毒はカロライナ・ジャスミンです。私は植物にも毒にも詳しくなかったので、調べて勉強しました。アメリカのサウスカロライナ州の州花にもなっていて、日本でも公園などに植樹されている、珍しいというよりは日常の近くにある花です。
珍しくもない黄色い花が毒を持っていて、その花の蔓が女の子の心と体に巻き付いてる、という話です。
見る、見られる、見えるのに触れられない、という関係性を描きたくて電話ボックスという題材を選びました。
サークルのみなさんに創作裏話を伺ったのですが、私の場合は、最寄りの電話ボックスに入ったり出たり、受話器を持ったり、時間帯を変えて電話ボックスを見に行ったり、ということを繰り返しました。
今どき、電話ボックスってなかなか無いし、入ったり出たりしている人って完全に不審者ですね。
コメント欄に作品紹介動画を貼っておきます。
私がウララさんにわがままを言って、音源は自分で歌ったものを使ってもらいました。
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