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朝人に向けたお好み焼き、それをジッと眺めている朝人。
朝人が少しだけ口を開いたかと思ったら・・・
「間接キスだろ。」
昔、私のことをあんなにバカにしていた朝人がそんなことを言い出した。
でも、私はそのことには触れずに朝人のことを真剣に見詰め返しながら頷いた。
「そうだよ、間接キスだよ。」
「俺、そんなので喜ぶほどガキじゃねーから。」
そう言われ、自分がやったことに対して凄く恥ずかしくなってしまい、苦笑いしながらお好み焼きが入ったパックを下ろそうとした。
そしたら・・・
お箸を持った私の右手を掴まれ・・・
朝人がパクっとお好み焼きを食べた。
“味、濃・・・!!”
という言葉が飛び出てくるのを身構えていたけれど、その言葉はなかなか出てこなかった。
朝人は難しい顔をしながらお好み焼きが入った口をモグモグとさせている。
そして・・・
「うん、味は不味いけど旨いよ。」
そんな変な感想を言われた。
「それどういうこと?」
「見た目通りやっぱり不味い味だけど旨く感じた。」
「全然分からないんだけど。」
「分かれよ、どれだけガキなんだよ。」
「見た目はこんな感じだけど25歳になったし、昔ほどガキじゃないもん。
好きな人だっているしデートだって出来るしエッチだって出来るし、結婚も出来るもん。」
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