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緊張しながらも朝人にそう伝えたら、朝人は私からサッと目を逸らした。 「うん。」 そんな短い返事だけをされ、私がそこまでガキではないことは伝わったのか伝わっていないのかよく分からない。 もっと続けようと口を開いた時、朝人がまた私のことを見てきた。 「お好み焼き、食わせて。 千寿子から食わせてもらうと旨く感じたから。」 そんな言葉には思わず笑ってしまい、買っていたハンバーガーの袋を指差した。 「じゃあ、こっちも食べてみる?」 「それは絶対に無理!!! 味付けそのものが絶対に無理!!!」 「でも、これどうするの? 私こんなに食べられないよ?」 そう言ってからレジャーシートに並べられている沢山の食べ物を見渡した。 「これこそ大人買いだよね~!! 後でクレープかアイスも食べたいしこんなに食べられないって言ったのに!! 安いからってほとんどのお店の買っちゃうんだもん、ビックリしちゃった!!」 「安いし味も絶対旨くないからな。 数で勝負するしかねーだろ。 お前が食わなかったやつを幸治の所に差し入れで持っていく。」 「それめっちゃ失礼だから!! 少しでも温かいうちに持っていってよ!! ・・・これとこれとこれ・・・これも!!」 比較的にお洒落な食べ物を朝人に渡すと、朝人が不機嫌な顔になった。 「安くて不味い飯しか残ってねーじゃん。」 「気持ち良い気候の自然の中で食べたらどんな食べ物も美味しく感じるから!! それに朝人と一緒に食べたらもっと美味しく感じるよ?」 恥ずかしいけれどそう伝えたら、朝人が何故か不機嫌な顔になった。 そして私が言った食べ物を持ち立ち上がり・・・ 「デートの練習、すげー上手いな。」 そんな言葉を残して安部君がいるであろう方へ歩いていってしまった。 「こんな感じでいいのかな・・・。」 不機嫌な顔をしていた朝人の後ろ姿を眺めながら呟いた。
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