古村市生活環境課

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古村市生活環境課

 私は輪多(わだ)ゆきこ。ここ古村(こむら)市で産まれ育って、この春で三十九年になる。七年契約で古村市役所の生活環境課の臨時職員になったのが一昨年の四月。  生活環境課の業務は、ゴミ処理、市内の衛生管理、飼い主不明のペットの遺体回収などその業務は多岐にわたる。  そんな私に課せられた業務は『不法投棄ゴミ及び特定外来種の探索』で、主に市内を車で移動しながらの見回り、また通報があれば現場に赴いての確認というのが主な一日の仕事だ。  ただゴミの回収や外来種駆除をすればいいという訳ではなく、発見した場合や通報を受けて現場に付いたら、まずは係長にメールで画像を添付して指示を仰ぐことになっている。  私自身、回収や駆除に参加するのだが、雨の日だけは例外になっている。特に不法投棄というのは家電などの重量物が多く、雨の日に作業して手を滑らせたりしたら大変なのだ。投棄場所も主に山中や崖のような急斜面が殆どなので、滑落の危険もある。  私の上司にあたる係長、尾澤(おざわ)まさみはとても優秀な職員で、後に市長補佐にまで上り詰めるのだがそれはまだ先の話。良く分からないけれど超エリートらしく、他の職員からも一目置かれているそうだが、私に言わせれば「はあ?」なのである。  であるが、今回は尾澤さんではなく、私の無知なお話。でも少しだけ尾澤さんの性格の良さ(・・)も分かるかも‥‥‥
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