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初めてだけど分かった、「恋」
中学校に入って、恋愛小説みたいなことが起きないかな、なんて夢みたいなことを考えてばっかいた。
でも、気づけば中学校を卒業してた。
私が授業中に妄想してたことなんて、一つも起こらなかった。
クラスの女子たちが恋バナをしてても、恋愛なんてまだ先のことだと思ってた。
でも、友達に彼氏ができてから焦り始めた。
私だって、恋したい。
ヒロインじゃないし、目立てないし、可愛くもないけど。
ずっと私は、頭の中で考えているだけだった。
行動に移さなきゃ意味がないってその時気づいた。
君と喋りたい。
毎日放課後にテレキャスターを練習する君を見て、次第にその気持ちが強くなった。
君は同じクラスだった。
でも、私は君と話したことがない。
なぜなら君は、いつも人に囲まれているから。
私なんかが入る隙もない。
私と君の接点は思えば何もない。
ただ私が一方的に君を追いかけているだけだ。
追いかけている?それじゃまるでストーカーだ。
放課後に君が空き教室で練習していることは、私だけしか知らないのかも
しれない。
でも、私はそのことを誰かに話そうとはしなかった。
そもそも、話せる人がいないけど・・・
あの空間は私が独り占めしたかった。
ずっと、こっそり見ていたかった。
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