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「そうだ。花火やらない?
君が倒したやつ。」
「うん。」
キコがバックから出した花火。
キコが、火の玉を起こして、
それで火をつける。
初めてじゃない?
火の玉が役に立ったの。
私とキコが花火に火をつけると、
輝かしい光が生まれる。
「綺麗だね。」
「綺麗だよ。」
キコがこちらを見て微笑む。
キコは溶けたかき氷を飲みながら、
私はりんごあめをなめながら。
光が、キコの顔を明るく照らす。
好きだといいたい。
でも、最後だからこそ台無しにしたくない。
この思いは閉まっておこう。
でも、最後だけでも
相思相愛になれたら……。
嬉しいだろうな。
楽しいだろうな。
幸せだろうな。
でもでも!!気まずくなりたくはなかった。
たぶん、キコは恋とか知らないと思う。
存在を知っていても、
それを私に向けているわけがない。
名前を呼ばれたこともないのに。
自己紹介は確かにした。
それでも、
彼が名前を呼んでくれたことはない。
いつも、君。
嫌われてるのかもしれない。
それは…ないかな?
でも、好かれてはいないんじゃないかな。
光が、消えてって燃え滓だけが残る。
私も、こうなるのかな。
キコという光を無くして、燃え滓だけに……
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