朝の通勤

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朝の通勤

「行ってくるよ」康則はそう言って玄関のドアを閉めた。康則はいつものように自宅の車庫の鍵を開けて空陸兼用の円盤型車のドアをリモコンで開けた。  「さあ、今日も仕事頑張るぞ。今度の家族旅行はどこがいいかな?幸と幸代驚くほど景色が綺麗なところがいいなー。そうだエメラルド色の綺麗な海が見たいと二人とも言ってたぞ。この仕事が上手くいったら旅行会社でパンフレットでも もらってこよう」康則はそんな事を考えながら車に乗り込んだ。  いつもの何も変わらない朝、康則は自分の空陸兼用の車で空に上がった。  康則の会社は空からだと40分で着くが道路からだと一時間かかる場所にあった。  康則はとても注意深く空の運転をしていた。  康則が空で運転してから三十分くらいたった頃だった。  「あと少しだ、あと少しで会社に着くうん? 不味い家を出る時は晴れていたのに妻が言った通りだ嫌な天気になってきた。  雨雲だ。これは大雨になるかもしれない。急がないと何だ?これはいきなり凄い風だ石まで飛んできた。  操縦ができないハンドルが動かない。翼が〜翼が折れた。危ない操縦が効かない。わあ〜あ〜わ〜駄目だ墜落する。 操縦が〜操縦が〜駄目だ〜全く効かない〜風で機体が持っていかれる〜風が強い。飛ばされる〜 ビルに激突するかもしれない。 康則は、叫んだが操縦が効かず、康則にはどうする事もできなかった。  あー幸代幸〜。康則は何とかビルには当たらず幸いな事にビルの横に飛ばされた。  風で何処に〜いったい何処に飛ばされるんだ〜。」  その時康則は頭部を機体の中で打ち付け気を失ってしまった。 そして、康則が運転していた車は風で飛ばされ、どんどん下に落ちて行った。  「皆んなみろ!落ちてくるぞ!何だ?あれは?空道路兼用の車だ。何でこんなところに〜俺達は他のところから来た人間に構ってるはずなんてないのに!何でこんな時に。こっちに落ちてくるぞ、みんな避けろ!」  康則が墜落している時、下で見ているこの星の住人がまさかそんな事を話しているとは気を失っている康則には全くわからない事だった。 そして、この星が自分が住んでいる星とは違う奇妙な星だという事も康則にはまだわからなかった。 今、康則の周りにはこの星の住人達が集まっている。   そしてこう話している。 「墜落してきたこいつを手当てした方がいいのか?」 「嫌、放っておこう今、この星で起きている事を勝手に墜落してきた住人に最初から話しても信じてくれないだろう」  「でも、このままだと死んでしまう。助けた方がいい」  「駄目だこいつが元気になってみろ。俺達を脅かす存在になりかねない」 「話せばわかってくれるよ。命は一つしかないんだよ」 「俺達だって今、自分の身を守っているじゃないかあいつらに殺されないように。他の星の奴らに構っている暇はない。いいかこんなやつ放っておけ、いずれ奴に見つかる」 何を話しているんだろう? 誰か〜誰か助けてくれ  話が聞こえたような気がした康則は誰にも聞こえないような小さな声で話していた。
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