6人が本棚に入れています
本棚に追加
子供
康則の周りにいた男は誰一人康則の味方をする者はいなかった。
「お前!お前のせいで子供に逃げられた」
男が康則にそう言うと何処からか声が聞こえてきた「おい、こっちに5人の子供がいるぞとりあえず生け取りにしてまとめて火炙りだ」
「わかった。今行く」男達はそう言うと声が聞こえた方角に走って行った。
男は一旦立ち止まり康則に言った。
「お前は自分の星に帰れ!俺達の邪魔はするな」
そう言った。そして別の男も康則に言った。
「子供が可愛いそうだと思っているんだろう。お前は夜ここに来れば全てがわかる。そしたらお前は帰れ」男は康則に簡単に中央広場跡地の地図を書いて渡して立ち去った。
康則はここに行けば何がわかるのだろう?
と考えたと同時に行ってみようという気持ちになった。
中央広場の跡地このメモにあるベンチの側って
何なのだろうか?康則は不思議に思いながらも
空陸兼用車を作っているところに行った。
作ってあるものはほとんど壊されていてこれから作るとなると三日はかかるということだった。康則は予約をすると、三日も家族に会えないのかとため息を吐いた。
「今頃、幸と幸代はどうしてるだろうか?行方不明で僕は捜索願いでも出されているのだろうか?会社にも行かれなかった。職場のみんなは俺を心配しているのだろうか?」康則はそんな事を考えていた。
康則は中央広場に男から渡されたメモを頼りに向かった。そしてベンチの側と書いてあったので
康則はベンチに座って夜になるのをじっと待っていた。
康則は過ごしやすい春の陽気のせいかベンチで熟睡していた。そして康則が目を開けるとあたりはすっかり真っ暗になっていた。康則が腕にしている時計は22時を指していた。
「もう、22時か〜いったいこの中央広場で何が起きるんだ」
そんな事を思っていた康則の前の道路で大きなトラックが止まった。トラックを運転していた男はトラックから降りると康則に言った。
「今日の当番は君かな。今日は大量だから重いけど降ろすの手伝ってくれ。今日は重いから少し金額はずむから頼むよ」康則が辺りを見回すと周りには康則以外誰もいなかった。康則は自分は何も知らないとは言いづらくなり荷物を下に降ろすのを手伝った。その荷物は二人で下に降ろすだけなのに大人の男二人で持ってもかなり重たかった。
康則は言った「この荷物から泣き声がします。子供の助けてって言う声が」
「当たり前だよこの荷物は悪魔の侵略者なんだからこの子供は朝一番の日差しを浴びると死んでしまうのさ。ここは一番日差しが強いところなんだよ。君、もしかして違う星からきた人間なんだね。悪い事は言わねえ。これお金。これ持って早く帰りなさい」
トラックの運転手はそう言うとお金を康則に握らせトラックに乗り込んで何処かへ行ってしまった。降ろした荷物を覆ってある黒い布を取り除いた。その時、康則の目に映ったのは牢屋の中にいる子供達だった。
子供達は康則を見て泣きながら言った。
「お願い助けて、パパとママに会いたい」
10人くらいいるだろう子供達は皆んな泣きながら
康則に訴えた。
「助けて僕達何も悪いことしてないよ。それなのに大人達は子供を牢屋にいれるんだよ。ここの星は子供いなくなったのはそのせいなんだよ。僕達を信じて。お兄さんこの星で子供の姿みましたか?それでも大人達の話を信じますか?助けてお兄さん」
康則は確かに子供の姿は見なかった。
この子達を信じていいのだろうか?
康則はまだ子供達をしんじられずにいた。
最初のコメントを投稿しよう!