理想の曲作りを追い求める人生は、突如フィナーレに……

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理想の曲作りを追い求める人生は、突如フィナーレに……

最後に作曲した曲は、何かを()くような高揚する旋律だった。 まるで、私がまさに今載せられた救急車のサイレンのように。 病院へ運ばれる中、程なくしてそのメロディは物悲しい旋律へと移調していく。 ふと目を開けると遠ざかっていく救急車の姿があった。 『ああ、行くな……私を置いて行かないでくれ……!』 そう願い救急車の後を追うが、サイレンの音が溶ける様にレクイエムを奏でて去っていった。 ――私の魂は、生き急ぐ肉体に追い越されてしまったのか……。 ―名も無き作曲家の追走劇 幕切れ―
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