きみは飛行機雲

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 卒業式の日、私は彼を体育館の裏へと呼び出した。  相変わらず死んだ魚みたいな目をしている彼を前にして、私は意を決して口を開いた。 「この学校に昔から伝わる桜の伝説、知ってる?」 「知らない」 「校庭の桜の木の下で告白をして成就すると、二人は永遠に結ばれるって……だから、わたし……わたしね」 「わたし、あああああああ君のことが好きなの!」 「ごめん、他に好きな人がいるんだ」
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