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三日後の夜、あやかし駄菓子屋で、倫太郎が愚痴っていた。
「最近、社長室に埃がたまってるんだが……」
「あの部屋、式神たちに掃除させるから、業者入れなくていいって言ったの、社長じゃないですか」
と冨樫が言う。
「……でもよく考えたら、あいつら小さいから、全然掃除終わらないんだよ」
ちっちゃな壱花も暇そうだったので、小さなホウキを与えてみたら、ヒトガタと一緒に掃除をしはじめた。
最初はみんな、微笑ましく眺めていたのだが。
この二人の掃除はなかなか進まず。
隅まで掃き終わるころには、すでに最初のところに埃がたまっていた。
「でも、お掃除ってそんなものですよね。
やってもやってもキリがないっていうか」
そう言う壱花に倫太郎がちょっと呆れたように言う。
「いや、お前、掃除してから言えよ」
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