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ふっと壱花は目を覚ました。
見慣れた天井。
倫太郎のマンションの寝室だ。
洗面所の方から話し声が聞こえてくる。
倫太郎と冨樫のようだった。
なんだったんだ、今の夢、と思ったとき、ガチャリと寝室のドアが開いた。
倫太郎が顔を覗ける。
「壱花、起きたか。
なんなんだ、それは」
「えっ? それ?」
と壱花は倫太郎の視線を追った。
壱花は胸に白いヒトガタのようなモノを抱いていた。
倫太郎が目覚めたときには、すでにその状態だったらしい。
「胸に白い花みたいなのを抱いて寝てるから、死んだのかと思った」
と言う倫太郎に、
「いや、死んだのかと思ったのなら、放っておかないでくださいよ」
と訴える。
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