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「そもそも、それはなんなんだ?
穢れを移せる形代か?
それとも、式神になる式札なのか?」
そうですね。
なんなんでしょうね、と思いながら、壱花は鼻にそれを当ててみた。
「なんか香のようないい香りがしますよ。
ありがたい感じがしますね」
と言って、倫太郎に、
「……お前、今朝、コピー用紙で量産できそうだと言ってたぞ」
と突っ込まれた。
もちろん、これはコピー用紙などではなく。
楮かなにかで作られた和紙のようなのだが。
「うーん。
なんなんでしょうね。
お礼にやろうってくれたんですから、式神ですかね?
特に移したい穢れとか、今、思いつかないですし。
式神ってなにができるんでしたっけね?」
小首をかしげる壱花に冨樫が言う。
「自分の代わりに用事とかしてくれるんじゃなかったか?」
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