688人が本棚に入れています
本棚に追加
懐かしいなと思いながらも、そちらに行かずに、涼しい川の方に向かい、ずんずん歩いていってしまったらしい。
そして、気づけば、見知らぬ住宅街に迷い込んでいたのだという。
「もう帰ろうかなと思ったとき、また駄菓子屋が見えてきたんですよ」
夜中に開いてる駄菓子屋が住宅街にあるのか? と冨樫は首をひねった。
「そのとき、ふと、さっき入りそびれた駄菓子屋のことが気になって。
おい、ここ入ってみないかって友だちに言ったんです。
二人も、いいな、懐かしいな、とか言ってそこに入ったんですが。
駄菓子屋なんだから、ばあさんがやってるかと思いきや、メガネかけたスーツ姿のクソ真面目そうな男がひとりでやってたんですよ。
まあ、そうですよね。
深夜だから、ばあさんなら、もう寝てますよね」
と男は偏見を述べる。
最初のコメントを投稿しよう!