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「 ……その、ごめん 」
数日後
先にニンゲンの姿になってバルコニーに立っていたマルシュの背中へと謝れば、彼女は此方を見る事なく星を見上げる。
「 考えてた…。パパの事と…レックスの事… 」
「 そう…なのか…… 」
避けられた事が辛くて、彼女が何を思ってるのか考える余裕は無かったが、考えていた…と言う言葉に少しだけ驚く。
「 パパはニンゲンで、他にも生き物を飼ってて…皆大事にしてる。新しい子の…リリーちゃんも…。それに、私は鳥で…パパを振り向かせることはできないし…お嫁さんにもなれない… 」
「( 大事…そうだな。もし…シヴァが姉や俺を血が出るほどに怪我をさせず、追い回し続けなければ…生かしてたかも知れないな… )」
どこかに連れて行くには気性の荒さが目立つから、他人に迷惑かける前に…
その命を終わらせた。
そして俺は、他の者を傷つけないって理由であれから殺されかけることは無いのだから…。
もしかしたら、あのニンゲンは…
俺達を守る為に…
なんて、考え過ぎかも知れないがな…。
「 そうだな…… 」
マルシュの言葉に相槌程度に小さく頷き、左側へと立つ。
「 …パパが、私の子が欲しいって言うなら…頑張ってみたいな… 」
「 ……へ?それって… 」
もっと違うことを言うのかと思って一瞬頭が真っ白になれば、マルシュは手摺りに顎を乗せ少しだけ身を下げては、甘える声を漏らした。
「 プピピピッ…… 」
「 !! 」
照れたように、ほんのりと頬を染めてる様子にこっちまで恥じらいを持つ。
「 レックスとの…卵、産みたい…… 」
「 なっ、っ……いいのか、本当に… 」
マルシュから言って貰えるとは思わずに、高鳴る心臓を必死に抑えようと、視線を僅かに逸らせば、彼女は此方を向いてそっと胸元へと抱き着き、溝内辺りへと額を擦り付ける。
「 いいよ……。レックスが…年上の私で良ければ… 」
「 そんなの気にしない。たかが一ヶ月違うだけじゃないか…。俺は…マルシュ、御前がいい……。御前じゃなきゃ…ダメなんだ… 」
そっと肩に触れて優しく抱き締め返せば、背中に手を増していた彼女は、少し押すように動いた為に、自然とバックをするように下がってしまう。
「 ッ…! 」
踵に当たった振動と共に、後ろへと倒れればソファがあったことに安堵するも、目の前では月に輝く妻が、舌なめずりをした。
「 パパと出来ない分…レックスといっぱいするから… 」
「 なっ………! 」
誘われるような態度に、別の意味で顔が熱くなれば、妻は上へと乗って来ては片手を胸元から腹筋へと下げるようになぞる。
背筋に感じる痺れに震えてしまう…。
「 パパに喜んで貰いたいから、毎日…卵を産みたい。だから…毎日、相手になってね? 」
その言葉に、どう返事をすればいいか分からないが…
オスとして、ずっと使わなかったアレが素直に反応する…。
「 もちろん…、妻を飽きさせないぐらいに、相手になるさ… 」
そっと手を伸ばし、ほんのり色を乗せる頬に触れては、上半身を起こして口付けを交わせば、マルシュは嬉しそうに目を細めて啄むように唇を甘噛みしてきた。
漏れそうになる声を堪えては、その腰へと腕を回し、自らの上へと引き寄せて更に口付けを深めていく。
触れたかった…ずっと、したかった…。
夢ではない現実に、
只…酔われるように細い腰に触れ、うなじを甘噛みして、濡れた内部へと熱いオスを埋める。
「 ひぁっ…ぁ、あっ……! 」
「 ッ…はぁーっ、は…… 」
鳥らしく、背中側から交尾をして片手を小振りな胸に触れ、先端を指先で擦れば彼女は何度も腰を震わせ、
背筋を逸らす為に逃したくない本能で肩口を甘噛みし、揺する速度を上げる。
「 ぁあっ、れっ、くす…ぁ、あっ!また、いく、っ…んんっ…! 」
「 ッ〜……はっ…… 」
内部を締めた彼女に合わせて、熱い欲を吐き出し、脱力感に僅かに瞼を閉じてから顔を上げる。
「 んぁ、っ……レックス、なか…きもちいっ… 」
「 あぁ、俺も…気持ちがいい… 」
お互いに舌を伸ばして、絡ますように舐め合っては…
もう一度、深く奥へと押し込んで、確実に有精卵を産むように、精子を吐き出す。
鳥は一日に、何度も交尾を繰り返す。
特にマルシュは、有精卵の方がニンゲンに喜んで貰えると思ってるのか、俺を誘っては全身で受け入れてくれる。
その為に、羽根を引っ張り過ぎて怪我させることも無く、追い掛け回す事も無い。
「 んっ、ん……レックス、早く…卵産まれないかな…? 」
「 …一度、産み始めると毎日…みたいだが、まだなんじゃないか? 」
お腹へと嘴を当て、卵を産みたくて待ち浴びる妻を愛おしげに眺めて、そっと首元へと顔を寄せ毛繕いをする。
「 そんなに焦ることはない…。それに、産み始めると身体に大きな負担になるから、たまには止めたり、カリシウムをいっぱい摂るようにするんだぞ? 」
「 んー?分かった…。じゃ、それまで… 」
「 ぬあっ!!? 」
ガバッと被さってきた妻に驚けば、首元の羽根を咬まれては、彼女は床材へと押し付けて笑った。
「 もっと、もっと。私と交尾して、沢山有精卵産ませて! 」
「( 年上の…マルシュの方が…発情がやばい…。でも、オスとして…断るわけにはいかないよな… )…ふっ、分かった… 」
緩く笑って、身体を起こしてから今度はマルシュの背中へと乗れば、喜ぶ彼女と口付けを交わしてから、行為をする。
「 ○!※□◇#△!( お、マルシュ。レックスと交尾してんじゃん! )」
「 プピピピッ!( あ、パパ!! )」
「 !?( ちょ、マルシュ!い…いまは繋がってるから動かないでくれ! )」
マルシュの事はもっと好きになったが…。
夫婦の邪魔をする、ニンゲンは好きになれそうにない…。
まぁマルシュが卵を産み始めるのは、
もう少し先の話だがな。
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