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フライデパート定例幹部会議 「社長、レストランの予約が取れない等のクレームが多くなってます」 「商品部門も今の社員数では需要に対応できません」 「移動販売魔導車に来て欲しいという依頼が多くて困ってるぴょん」 ふーむ。商売がうまくいっているのはありがたいが、人気になればなるで課題もでるもんだな。 「それぞれ、改善案を言って欲しい」 部長序列1位の加藤さんを指名した。 「店舗を大きくして社員も増やすしか」 なるほど。 次は部長序列2位の海野さん。 「それか、支店を増やすか」 なるほど。 次は部長序列3位の宇佐美さん。 「移動販売魔導車を増やせばいいぴょん」 なるほど。 「素晴らしい改善案をありがとう。大きな店舗を建てようと思う。支店も増やして移動販売魔導車も増やすよ」 「おおっ」 「社長、やる気ですね」 「やるぴょんねー」 (フライ、大きな建物って出せる?) (今のマスターのレベルなら、10階建てデパートを出せます) おお、俺のレベルも上がってきたな。 と、なると、土地を買わねばならない。建設資材もフライに取り込まねば。 あとは、図面や内装プランの作成かな。 まず、商工ギルドに行って土地の相談をしてこよう。 「こんにちは」 「大山社長、お世話になります」 「いえいえ。今日は土地購入の相談に来ました」 「ありがとうございます。どのような土地を」 「今の借りている店舗では手狭になりまして、町の郊外に自社ビルを建てようと思います」 「それはそれは。今の店舗での営業は半年ですが、もう自社ビルなんですね」 「お陰様で」 「では、物件情報をご用意しますのでお待ち下さい」 「はい」 良さげな土地は5ヶ所。 たくさんの移動販売魔導車を停めておく駐車場もいるし、ゆくゆくはマンションや学校、病院とかも建てたい。 そうすると、1番広い所を買ったほうがいいよな。 「ここにします」 「大山社長、そこは広くて安いですが」 幽霊でも出るのか? 「雑木林や沼とかあり、造成が大変だと思います」 なんだ、そんな理由か。 「大丈夫です」 「町の中心からも遠くて、集客は悪いかと」 「大丈夫です」 「そうですか、ありがとうございます。実は売れなくて困っていた土地なんです」 おいおい、そんな土地を紹介するなよ。 「駄目もとでお見せして良かったです」 「はははっ」 俺が買った土地は、中野町郊外で東京ドーム2つぶんの広さがある。 お値段は1億円だった。 ポンと1億円を現金で払うとは、俺も金持ちになったもんだ。 なんせ、毎月3000万円の利益があるからな。 買った土地へ行ってみると、説明どおりの荒れ地だった。 「フライ、よろしく」 『はい、マスターも」 「区画は分かるよね?」 『土地区画図面から1ミリも違わずに整地します』 「うん」 さて、まずは雑木林や雑草を何とかしないとな。 伸び放題生え放題の草木にフライを近づけると、どんどん草木がフライの中に入っていく。 東京ドーム2つぶんの広さがあるから大変だがやるしかない。 3日で雑木林や雑草はきれいに無くなった。 次は凸凹した土地の整地だな。 凸の地面の土や石をフライに取り込み、凹の土地にその土や石を放出する。 沼は埋め立てた。 作業すること1週間、やっと整地が終わった。 「フライ、終わったな」 『整地だけはですね』 「まあ、そうだね」 さて、10階建て鉄筋コンクリートのフライデパート本社を建てないとだ。
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