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[前回のあらすじ] 俺は惑星アテラスでデスロンに襲われているらしい。 ・・・・・・ ー 今回のお話 ー 「フライであいつを殴れば倒せるんだな?」 『はい』 ちなみに、「フライ」は女神様からもらった魔法のフライパンで、俺と会話ができる。 「魔法効果で、どこにヒットしても一撃必殺なんだよな?」 『いえ、今のマスターレベルでは100発は必要です』 「……分かった」 デスロンにフライパンを100発当てるまで俺の体力が保つか分からんがやるしかない。やらないとおそらく俺は死ぬ。 どうしてこんな状況になっているのか凄く気になるが、それを考えるのはデスロンを倒してからだ。 「どうせなら、フライが俺の身体を100%制御してくれよ」 『残念ながら私ができるマスターの制御は50%未満です』 「そういう設定?」 『はい』 なら仕方ないか。 「痛いのは嫌だからちゃんと守ってくれよな」 『分かってます』 ギャオーッ! バリア効果が切れたのだろう。デスロンが突っ込んできた。 うわー! 怖すぎておしっこ漏らしそうだ。 しかし、デスロンの攻撃をフライが避けてくれる。 おお!  『マスター、攻撃をお願いします』 「あ、うん」 とりあえず、フライパンでデスロンの腕を殴ってみた。 デスロンの右腕は10発くらい殴ったら動かなくなったようだ。 デスロンの左腕も同じように殴ったら、デスロンの両腕はダランと動かなくなった。 『マスター、次は足を』 「はあ、はあ、う、うん」 かなり疲れてきたが、俺はデスロンの右足をフライパンで殴り続けた。 10数発のフライパン攻撃でデスロンは倒れ込んだ。 『マスター、胴体や頭を』 「はあ、はあ、はあ、う、うん」 俺はものすごく疲れてきたが、デスロンの胴体や頭をフライパンで殴り続ける。 『デスロンの生体反応消失。マスター、勝ちました』 「はあ、はあ、はあ、はあ、か、勝った、のか」 力が抜けて座り込んだ。 デスロンの仲間とかいないだろうな? あんなのがまた襲ってきたらもう無理だ。 『マスター、お疲れさまです』 「も、もう、この辺にはデスロンみたいなのはいないよな?」 『この辺りはデスロンのテリトリーなので、マスターに危害を加えるような魔獣はいませんね』 「デスロンの家族とかは」 『魔獣は単独生活なので』 なら、大丈夫か。 「あのさ、フライ」 『はい』 「ここは地球じゃないよな?」 『はい。異世界です』 「だろうな。あの女神様の間違いか」 『はい。マスターに与えるフライパンを間違えましたね』 「え?」 「料理がちょっとだけ美味しく作れるレベルの魔法のフライパンをマスターに与えるはずが、最高レベルの魔法のフライパンを与えてしまったようです』 「それって」 『マスターを地球に戻す予定でしたが、マスターが手にした最高レベルの魔法フライパン効果で異世界へ』 「……」 あの女神、何をやってくれやがる。 「もしかして、俺は地球に戻れない?」 『私にはマスターを地球に戻す力は有りません』 「俺のレベルが上がったら」 『異世界転移には女神様レベルの力が必要かと』 「じゃあ、あの女神様に連絡とか」 『無理です』 「そこを何とか」 『ここは異世界なので、向こうの世界の女神様とはコンタクトできません』 「じゃあ、こっちの世界の女神様と」 『こっちの世界の女神様に私からはコンタクトできないのです』 「……」 『こっちの世界の女神様がマスターにコンタクトしてくれるのを待つしかないです』 「なるほど」 どうなるの、俺は。
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