未来が見えない

白台同盟結成

　ピザを食べ終えて、横になっていた僕はそのまま寝てしまっていた。明日からYUUKIが仏心に帰ってくる。

　僕は仏心の公式サイトにアクセスし、イベントを確認する。

　すると、ある新しいイベントが目に留まった。

　同盟システム、予定通りに実装。

　これによって、ギルド間での同盟が可能となりました。他ギルドと協力して、強豪ギルドに挑もう！

　そうか、そういえば同盟機能が実装されたんだっけ。もうそんなシーズンになったのか。これによって、ギルドの立ち位置はどう変わっていくのだろう。

「ランキングに変化があるかも知れないな」

　僕らには関係ないかも知れないけれど、チェックはしといた方がいいかな。

　スマホを見ると、LINEにメッセージが入っていた。

「未来、テストの後に悪いな。手応えはあったかい？　俺はゲームやってなかったから、勉強する時間しかなくて、自信は満々。明日から仏心に戻れると思う。これからも宜しく！」

　予定通り、悠木は仏心に戻れるみたいだ。よかった……これで、もっとゲームが楽しくなるはずだ。やっぱり、YUUKIが居ないと盛り上がらないよな。僕はLINEに返事をする。

「悠木、中間テストお疲れ様。仏心に戻って来てくれること、とっても嬉しい。こっちの勉強はおざなりで一夜漬けだったから全然自信ない。まあ、次回は頑張る」

　LINEの返事を返して、僕はベッドで就寝した。

　次の日から、学校は中間テストが終わり、試験休みに入った。

　これで、ギルド内で仏心が盛り上がればいいけれど。試験が終わって休みなのはありがたい。勉強が終わった後のゲームほど、至福に感じる時はない。

　LINEを見ると、悠木から復帰したぞ。との報告が入っていた。僕は早速、仏心にアクセスする。

　ピピピ。

　ログインをすると、マリスのLv94のキャラが出てくる。

　随分強くなったよなあ。そろそろ、一次転職ができるレベルだ。ソーサラーに転職すれば、上級魔法が使える。

「これで、戦争でもっと活躍できるはずだ」

　このゲームのカンストはLv150である。最大レベルになれば最終転職と言われる二次転職ができる。僕が目指しているアークメイジになれれば、ほぼ無敵になれるだろう。サーバー最強も夢ではなくなる。

　レベルカンストを目指すなら、キメラアントの巣を攻略するのが一番なのだけれど……でも、それにはよほど、実力をつけなければ駄目だろうなあ。

　僕らのパーティで地下三階が限界だった。最奥の地下五十階を目指すにはきっと、ギルド単位で行かないととても無理だろう。

　新しく実装された同盟システムで、何とかならないもんだろうか。

　おっと、YUUKIが待っている。急がないと。　僕はマリスを眺めながらの考察を辞めて、ゲームへとログインした。