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見慣れた街中が妙に新鮮に感じる。フィールドを歩いていると、白蛇の大地ギルドのメンバーと遭遇した。
TARO「SKYさん! お疲れ様です。この前は大活躍でしたね」
SKY「ああ、いえいえ。こちらこそ胸をお借りさせて貰ってありがとうございました」
TARO「ご謙遜を。ところで噂はご存じですか?」
SKY「噂ですか?」
TARO「うちのギルドと白台の大樹とで同盟を結ばないかって案が、急浮上して来ているらしいんです。もしそうなったら、宜しくお願いします」
同盟? うちと白蛇が? 初耳だ。恐らくまだ噂話に過ぎないだろう。なぜなら、僕も幹部になったはずだから、自分なしに決定するのはまずあり得ないからだ。
SKY「そうなんですか。もし、同盟を組むことになったら戦力が倍増しますね。その際はお願いします」
TARO「いえいえ」
挨拶を済ませYUUKIと待ち合わせた場所へ急ぐ。
白蛇の大地のメンバーと組むことになったら、この後のギルドの勢力図はどうなっていくんだろう?
まだ噂だとは思うから気にしない方向で行こう。
待ち合わせ場所へ到着する。僕のアパートメントだ。中に入るとYUUKIが待っていた。他のメンバーも集合している。
TIBI「YUUKI、お帰り!」
SIZUK「やっぱ主役が居なきゃ盛り上がらないよね」
Dan「待ってたよ!」
YUUKI「ありがとう、戦争には参加できなかったけど、実はログインして戦争の様子は見ていたんだ。すごかったなあ、SKYの魔法。この目で見てみたかったよ」
SKY「そうだったんだ」
YUUKI「うん……」
TIBI「なあに、固くなってるんだよ。お二人さん。ゲームだからって、主役の二人がそんなんじゃ、この先盛り上がらないぞ。さあ、今日は無礼講。乾杯といこうじゃない」
SIZUK「そうだよ、はい! 二人の友情に乾杯」
Dan「乾杯」
YUUKI「ありがとう、みんな。この先どんなことがあってもこのパーティは不滅だな」
一同「「乾杯!」」
YUUKIが戻って来てくれてよかった。みんなの言うとおり、YUUKIが居てくれなかったら盛り上がらない。やっぱり、このメンバーが揃って初めて、パーティなんだ。乾杯を済ますと僕は本題に入った。
SKY「ところでこんな噂を白蛇の大地のメンバーから聞いたんだけど……」
YUUKI「ん? どんな噂?」
SKY「白台の大樹と白蛇の大地で同盟を結ぶ、話が出ているんだ。多分、まだ噂話でとどまっているとは思うけど、気になる情報でさ」
Dan「そんな話が出ているんだ」
TIBI「それは、気になる情報だね」
YUUKI「その話は俺も知ってるぜ。なんでも、ギルドリーダー同士での話らしくてさ。この同盟が成立すれば、ランキング一位の座を奪うことも夢ではなくなるよな」
SKY「そうか、トップ同士でそんな話が進んでいたのか」
SIZUK「もし、そうなったらすごいね。白台と白蛇とで同盟か……戦争も過熱しそうだね」
そうだ、同盟が成立すれば、ランキング一の座も夢ではなくなる。これは会議で駆り出されるかも知れないな。覚悟しておかないと。
YUUKI「俺、この前の戦争でSKYが炎の魔法で相手の部隊を溶かした時さ、感動したんだ。それで、白蛇の連中が、敬礼してきたとき、感動しすぎて泣いたんだぜ。その相手と一緒になれるんなら、きっと関係は長く続くと思う。俺は賛成だな」
SKY「そうだといいね……さて、久しぶりにみんなで狩りにでも行くかい? YUUKIの感も取り戻させてあげたいし」
SIZUK「うんうん、賛成ー」
キメラアントの巣を何とかして攻略しなくては。僕らは久しぶりに意気込むのだった。
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