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次の日、俺は理久に余計なことを吹き込んだ人物を探し始めた。
すると思ったよりも簡単に見つけることが出来た。
なぜなら、そいつは俺と同じ目で、理久を見ていたから。
「委員長。放課後、話があるから屋上で待ってる。」
「おい、話ってなんだよ。」
「お前が1番分かってるだろ?」
その人物とは、俺たちと同じクラスの委員長だった。
名前は、佐田という。
俺と理久が噂になっているというデマを理久に吹き込み、俺たちを引き離そうとした。
俺らの邪魔をする奴は、誰であろうと許さない。
「ごめん、理久。今日は委員会で遅くなるから先に帰っててくれるか?」
「うん。わかった。宗介、また明日ね。」
「宗介?」
「その方が誤解されないかなって。」
そこまで俺たちの噂を気にしていたのか。
「理久はそのままでいい。」
「ううん、宗介に迷惑かけたくない。」
俺は今すぐにでも理久を抱き締めたい衝動に駆られた。
だけど、今は耐えろ。
この問題を解決して、理久に笑顔が戻ってからだ。
「今夜、理久の家行ってもいい?」
「もちろん。」
「じゃあ、また後で。気をつけて帰れよ。」
俺は理久の背中を見送った。
そして、俺は踵を返して屋上へと向かった。
ここからは番犬の仕事だ。
理久の脅威になるものは排除しなければ。
これが俺の理久への忠誠だ。
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