悲しまないため

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レイは入れ替わりのときに服も交換していた。 それに加え、この世界では仮面の下の顔を見たことがある人はさっき出会った少年のみである。 そのせいか、レイを王子様だとは思わずに男は”飢餓児”と勘違いし、鞭を振り下ろした。 硬質な鞭は上品に育てられてきた柔肌をいともたやすく切り傷を刻む。 血が滲み、目から大粒の涙が溢れ出した。 近くを通った巡回警備の騎士もこちらを見て見ぬふりしている この世界はおかしい 小さな年齢の小さな経験論でも分かりきった世界の暗さ 城では合うことのない社会の不条理 数十分して相手は気が晴れたのか、倒れているレイと庇った子を放置して何処かに行った。 倒れたまま体を休めていると、日が傾き空の色が変わってきていた。 レイは城に帰るとお父様にこのことを伝えようと思った。 きっとお父様なら何とかしてくれるはず、、、
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