悲しまないため

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レイは生まれて初めて人前で仮面を外した。 そして、生まれて初めて城外に出た。 全てが初めてでなんだか違う世界にでも来たみたいだ。 いつも上から眺めているのに、全く違う。 自分の誕生日という名目のもと行われている祭りを回った 祭りといっても、屋台などは少なく、商品のセールが大半といったところだ レイは、途中押し売りされたジュースを片手に店を回っていると、 「しっかり働け!!」 祭りの雑踏の中から、罵声が聞こえてきた。 その罵声に、何事かと、現場へ急いだ 人の壁をかき分けると、そこには倒れる子供をムチを打つ大人が、人の壁の中にいた。 ムチはバシッと熱り立つような音を立て、子供を襲った。 何度も何度も、、、 レイは、下の世界は何不自由ない世界だと思っていた。 でも、本当はそんなことない、世界はいつだって強者と弱者がいる。 見ていることに耐えきれなくなり、レイはムチを打つ大人の前に立ちふさがった。 「止めてください」
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