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兄の見舞いに行かず、半日使って、新しい隊の話を聞いたという。厳しい顔の副官と半日顔をつきあわせるのは辛いもので、そのあとは胃がキリキリして胃薬を飲んだとユーモアたっぷりに話す。
ここでミノやヨンジェも笑い出した。
彼らにとって隊長とは威厳のあるもので、なんでも態度を誤れば制裁があるような怖い存在だった。だから噂で、チャンヒョクが隊長を殴ったと聞いた時は何人かが「勇者だ」と思った。
「俺たちが所属する第七特殊諜報部隊は、おもに諜報活動いわゆるスパイ活動が主になってくる。
潜入捜査はもちろん、国家組織でも関与しにくい犯人の取り扱いもしなければいけない。」
カイドは簡潔にそう言うと、国という隔たりをなくして活動する大規模な諜報活動であると話した。利益は軍隊ではなく個々に入るもので、そのかわり各国を飛び回ることになる。
「目が回りそう…」
ただでさえ医療部隊と兼任するトガニは頭を抱えた。
「トガニのことは配慮したい」
カイドは安心するようにそう説明した。
「そうしてくれると助かります」
そんな話をしていると手が挙がった。手を挙げたのはヨンジェである。
「それって一人で活動するの」
「ほとんどがペアを組んでもらう。滞在地が近いメンバー同士で組むことになるが、やむを得ない場合は一人で活動してもらう。」
「任務の内容によるってこと」
「ああ、そうだ」
「たとえば…どんな任務なの?」
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