ぼくが としをとったら

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5さいの ゆうくんは たんぼの けものみち を おかあさんと いっしょに おさんぽ しました。 おかあさんが 「ゆうくん、あっちに   きいろい ちょうちょが     とんでるよ。」 ゆうくんは 「おかあさん、きいろい ちょうちょが  もう  あっちのほうまで  いっちゃったよ。」 「そうだね。とどかないね。」 「あ、こんどは けむし。  ゆっくり あるいてる。  おさんぽかな。」 「ゆうくんと おなじだね。」 にこにこ しながら  おやこ ふたりで さんぽを つづけました。  それから 40ねん たちました。  おかあさんは、からだが   よわくなり、75さいの   おばあちゃんに なりました。  ゆうくんは 45さいの   おとなに なりました。  おばあちゃんに なってしまった   おかあさんを くるまいすに   のせて、おさんぽ しました。 「ほら、きいろい ちょうちょ   とんでいるよ。」  こしを おとして、めせんを   おなじ たかさで ゆびを   さして おしえて あげました。 「あら、ほんとだね。」 「きれいな いろ だね。」  おとなに なった ゆうくん。  おばあちゃんに なった   おかあさんに やさしく   はなしかけられる ひとに   そだちました。  おかあさんは、  ゆうくんの ことを   じぶんの こども だと   おぼえて いません。   しらない おせわしてくれる   おにいさん だと おもっています。 「あなたは やさしい こね。」  ゆうくんは にこにこして   おじき しました。  やさしく ちいさいときに   はなしかけてくれた   なんじゅうねんも いっしょに  すごした あなたの むすこです。  そう いっても わすれてる   おかあさん。 あのとき やさしい ことばで こえを かけて くれた あなたの ことを わすれません。 じぶんの むすこにも やさしい ことばを かけつづけます。  あのとき あの しゅんかんの  おさんぽは たのしかったね。 あのじかんは もどらない だいじな ゆうくんの おもいで おかあさんが なくなっても いつまでも いつまでも おぼえている おかあさん  ちいさいときの  あのとき いっしょに いて くれて いっしょに あそんで くれて ありがとう。
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