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だってそれは好きって事で
橋本くんは私の同じクラスの男の子。
男の子は、なぜだかみんな意地悪で、すぐに私をいじめるの。
でも橋本くんだけは違ってた。
隣りにある私の机をそっと引き寄せる。
だから彼はそれをみんなにからかわれていた。
「お前、清川の事が好きなんだろう」って。
そうしたら、その日から彼は私の目を見てくれなくなった。
いつも優しい目で私を見て笑ってくれていたのに。
私の事は嫌いになってしまったのよね。
きっと、そうなんだわ。
それから、私は空が悲しい色に見えるようになった。
晴れた空も、その向こうに分厚い雲がかかっていて、私を悲しませる。
私に消えちゃえって、言ってるのよ。
私が消えてしまっても誰も悲しくはない、と言いたいみたい。
空は雨が降っていても、もっとその先では晴れているはずなのに、すぐそこにある景色は悲しい色をしている。
お願いだから、橋本くんの気持ちを教えて。
私に生きていて欲しいって、思っているのかどうかを。
他のどんな男の子に意地悪されても、かまわない。
けれど、空に太陽がのぼっても、雲がそれをかくさなくても、私の心はぬれたままみたいなの。
手のひらいっぱいに涙があふれて、それを止められない。
学校の黒板に書かれた相合傘。
そこに書かれた名前、私はあわてて消してしまった。
橋本くんが見たら、きっと悲しくなってしまうよね。
彼の名前と私の名前。
だれが書いたものなの?
私に意地悪したい人たち。
私は橋本くんがいじめられるのは、がまんできないの。
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