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たすけをもとめてふりかえると、カケルくんがコワイかおをしていた。
「カケルくん、どうしたの?おなかいたい?」
わたしはおばあちゃんのうでからぬけだして、カケルくんの手をつかんだ。
「だいじょうぶ?」
カケルくんは「僕は大丈夫だよ」と、へんなかおでわらった。
そして「そのワンピース似合ってるよ」といってくれた。
「わたしは”まご”じゃないの、ごめんねおばあちゃん」
わたしはそう言って、お話のつづきをきいてあげた。
カケルくんもしずかにきいた。
そして、はなしつかれたおばあちゃんとサヨナラした。
サヨナラの前に、おばあちゃんはおまんじゅうをくれようとしたけど「今日はもうワンピースもらったからいらない」というと、じゃあ…と、カケルくんにだけおまんじゅうをくれた。
「おまんじゅうもひさしぶり?よかったね」
「そうだね…」
なんだかカケルくんげんきがない。
だけど、ぐあいは悪くないっていうから、また手をつないでつぎのこうえんに向かった。
「きょうは赤ちゃんのお姉さんいないかな…」
「赤ちゃんのお姉さん?」
「うん、やさしいお姉さん」
おそらがオレンジ色だから、もうかえったのかな。
カラスも山にかえってる。
「くらくなるから、かえらなきゃ…」
ほんとうは、すごくすごく、もっともっとカケルくんとあそびたい。
「かえりたくないね…」
「そうだね。」
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