近所迷惑な彼女

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近所迷惑な彼女

 ぼくの隣人は、近所迷惑な人なのだ。  カツン、カツン、カツン、カツンと、ハイヒールを踏み鳴らし、リズミカルに床を打つ。  カツン、カツン、カツン、カツン  真夜中でもおかまいなしに。  カツン、カツン、カツン、カツン  甲高い音を響かせて。  僕の部屋は、マンションの通路側に面している。  おまけに勉強机は、窓に向かって置かれている。  中学3年生のぼくは、だから、受験勉強の真っ最中、頻繁にその音を聞かされるはめになっていた。
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