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「ふふふ、若いっていいよね。お肌もツルツルで、なんだか眩しいよ」
自分だってまだ十分に若いはずの彼女は、そう言って、本当に眩しいものでも見るみたいに目を細めてぼくを見上げた。
何がいいもんか。ぼくは心の声で叫んだ。
ぼくは、親の引いたレールの上からはみ出さないように、ただ淡々と毎日を過ごしているだけなのに。
たくさん勉強して、良い高校に進学し、良い大学に進学し、良い会社に就職しなさい。
人様に、迷惑をかけないように生きなさい。
それが父母の教えだった。
今のぼくは、あの小さな部屋で、ただひたすらに問題を解くことしかできない。
眩しいのは、あんたの方だ。
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