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何やら声を発し、エレベーターホールへ歩み出そうとしていた彼女を呼び止める。
車内に彼女の忘れ物でも見つけたのだろうか。
そう思った次の瞬間、金髪男は彼女の腕を掴み、うすっぺらな自分の胸に抱き寄せた。
2人はそのまま互いの身体に腕を絡ませたり、顔や髪の毛を撫でまわしたりしながら、とてつもなく長い時間、キスをしていた。
どこか罪悪感にとらわれながらも、ぼくは彼らから目を離すことができなかった。
映画やドラマのワンシーンで見るそれよりも、随分生々しくて、獣じみていて、ぼくは少しくらくらした。
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