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一体、どれ程の時間、そうしているのだろう。
ここから見ている限り、彼女は少しも動こうとしない。
あの車のエンジン音が遠ざかっていくのを聞いてから、ゆうに1時間は経っている。
ぼくの不安はみるみる膨れ上がった。
ぐったりと青白い彼女の顔が、脳内で鮮明に思い描かれた瞬間、ベッドに脱ぎ捨ててあった上着を掴み、ぼくは走り出していた。
ドタ、ドタ、ドタ、ドタ、と、近所迷惑な音を響かせて。
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