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倫也は僕の頭を自分の下半身に押し付けた。口を開けて迎え入れると喉の奥に届くほど侵入してくる。むせそうになりながらも舌を這わすと倫也のうめき声が聞こえてきた。
「これだから光琉さんは油断ならねえ」
そのまま腰を押しつけて倫也は僕の喉を犯した。
何度か前後すると「イきそう」と小さな声が届く。頷きながら後ろで揺れる袋を揉みしだくと、まもなく熱い飛沫が口の中を汚した。
脈拍に合わせたリズムで何度も飛び出すそれをゴクリと飲み干す。正直マズイ。
倫也は、はあ、っと息を漏らすと僕の頭を抱え込んだ。
「すげえ嬉しい」
その心から満足した声色に僕まで嬉しくなってしまう。倫也が気持ちいいと僕も気持ちいい。
顔を上げて様子を見ると興奮しきった倫也と目が合った。
「やっぱ光琉さんたまんないね」
一瞬で体勢を入れ替えると倫也は僕の上に乗りかかってすぐに激しキスを仕掛けてきた。口の中で倫也の精液の残りが混ざり合う。だけどそれもすぐに二人の唾液で薄れていった。
互いの体液を交換しあうように何度も角度を変えて深く交じり合う。
息が苦しくて口を離してもすぐに捕まってしまった。
いつもより荒々しい倫也に僕もつられるように熱が上がっていく。
「手加減しなくていいよね」
キスの合間に倫也は微笑みを浮かべた。
「目いっぱい愛したい」
舌先が首筋を辿りながら降りていく。肩にたどり着くと小さく噛んで吸い上げた。ピリっとした痛みに声を上げると、倫也がふっと笑った。
「痛いのも感じちゃうの?」
「違うっ」
「違わないよ、おれには光琉さんが気持ちいいときの声がもうわかるから。ほら」
と言いながら脇の付け根にも歯を立てる。じゅっと音をたてて吸われると何故か胸の先に伝わっていき乳首がツンっと立ち上がる。
「あんっ」
「ね、こんなに敏感で大丈夫? 今日がんばってよね」
倫也は遠慮なくあちこちの歯を立てると痕を残していった。その度光の粒が弾けるように全身に気持ちよさが伝わっていって、僕の性器からはたらたらと興奮の証があふれてしまう。足の付け根が冷たくなるほどに。
倫也は今度はしつこいくらいに僕の胸を苛んだ。
指先で摘まんだかと思うと擦り、赤く腫れた乳首を口に含む。舌で転がしたり吸いついたり。そのくせ下半身には全く触れてくれずに、じれたように足を擦り合わせた。
触って欲しい。
ここも、しごいて欲しい。
ねだるように押しつけてもサラリと躱されて、たまっていく熱の逃げ場がない。切なくなってついに涙がこぼれてしまった。
「泣いたの?」
すぐに気がついて倫也は涙を舐めた。
「わかってるくせに」
「光琉さんの口でききたいんだもん」
「意地悪」
僕は諦めずに倫也の脚に自分の性器を擦りつけながら懇願する。倫也の滑らかな肌に溢れた先走りがヌルヌルとこすれて気持ちがいい。
「言って」
「や、……っ、ね、倫也、触って」
「どこを?」
「やだ」
「ほら」
子供の頃はふざけて何度も発した単語を口にするのは恥ずかしすぎて僕は何度も首を振った。あれほどふざけて口にしていた時はなんとも思わなかったのに、セックスの最中になるとなんでこんなに恥ずかしいんだろう。
僕は倫也の耳に口をつけると、そっとその単語を囁いた。
「うわ、すごい腰にキた」
「言わすなよ」
「うん、光琉さん大好き。可愛い」
倫也は満足そうに僕の足を開いた。すっかりと濡れまくっている性器に手を這わせると羽のようにそっと裏筋をなぞった。
柔らかな刺激に声を上げる。
たったそれだけなのにさらに先端からは欲望がこぼれた。
「光琉さんのココ、もうイきそうじゃない?」
先端を手でふさがれクリクリと弄られるとそれだけで腰が痺れた。出口を求めて血液が集まってくる。
「可愛いなあ、健気に口をパクパクさせてさ」
「や、あっ、触ってもっと」
「うん」
倫也は高ぶりを上下に動かしながら自分の身体も落としていき口に含んだ。生暖かい感触に包まれた瞬間、ぐっと高まってくるものがある。
僕が倫也にした口淫よりもっと淫らに動かされるとたらたらと垂れたものが後ろの穴を濡らしていった。
ローションを足しながら倫也はゆっくりと後孔も解し始めた。
前後に与えられる刺激に僕は乱れた。気持ちよすぎてどうしていいかわからない。
「あ、ああっ、倫也、あ、ねえ、倫也」
意味もない喘ぎの間に倫也の名前を何度も読んだ。
「うん光琉さん、気持ちいいね」
「あ、ああっ、気持ちいいっ」
「はあ、たまんないな、あんた」
倫也はふっと息を吐きさらに僕の腰を上げると、ヒクヒクといやらしく動く穴に口をつけた。指で広げながら粘膜を直接嬲る。
「ああっ」
普段人の目にさらすことのない場所を開かれ口づけられる羞恥に全身が赤く染まった。恥ずかしいのに気持ちのいい嵐に逆らえず、僕は喘ぐだけしかできない。
腹の上にはポタポタと先走りが垂れて水たまりを作った。
ぐうっと広げられるたびにせつない痛みと、言葉にならない痺れが襲ってくる。
「倫也、もうっ、あ、っ」
「入れたい」
グチュグチュと淫らな音を立てながら倫也は僕をさらに追い上げた。
「光琉さんの中に入っていい?」
「あ、ああっ、来て、倫也、入って」
「んっ」
腕を伸ばして倫也の首に絡めるとキスをねだって舌を差し出した。深く折りたたまれた格好のまま倫也は入り込んできた。
「ああっ」
体の真ん中を貫く熱量に一気に弾ける。
ビクビクと全身を震わせながら僕は達していた。その度に中に入ったばかりの倫也をしめつけて、あられもない場所に埋まっている熱を思い知る。
「うっ」と倫也も唸り声をあげた。
「搾り取られそう」
苦く笑いながら倫也は顔を寄せて唇をふれ合わせた。荒い呼吸の間に啄むようなキスを繰り返す。
「んっ、倫也、」
「すごいね。入れた瞬間イっちゃったの?」
僕がようやく落ち着いてくるのを確認するとようやく倫也は律動を始めた。
「可愛いなあ、光琉さん。大好き」
「僕も、好きっ、倫也好き」
「うん、ちゃんと伝わってる」
倫也は僕の足を開かせるとその間に自分の身体を入れ込み、ぴたりと上半身もくっつけた。激しく打つ心臓の音が直接届いてくる。
「こうやって光琉さんと一つになってると幸せでたまらなくなる」
手を握り合ってゆっくりと僕たちは腰を動かし続けた。細かな部分まで味わえるように、些細な場所を見失わないように。
何時間そうしていたんだろう。
もはや倫也なのか僕なのかわからないほど密接につながって混ざり合っている。
僕の中に倫也が収まっていることは当たり前のように思えるし、互いの体液さえどちらのものかわからない。
倫也は僕の足を肩にかけるとさらに深く食い込んできた。
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