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ニコちゃんは残り物のコーラしか飲んだことがないみたいなので、僕はニコちゃんに忠告した。
「最初、すごくシュワシュワだから、気をつけて飲んでね…」
ニコちゃんは素直に僕の忠告を聞いて、ゆっくりチビチビと口をつけた。
「何これー…ニコのしってるコーラじゃないよ」
ニコちゃんはニガい顔をした。
飲めるようにしたいと言うので、僕は「時間をおくか、量は減るけど…振る?」と、炭酸を抜く方法を思いついたままに言ってしまって、後悔した。
ニコちゃんは、僕が止める間もなくコーラをブンブン振って、開けた。
ブシューーー
コーラが勢い良くあふれだした。
「やぁーーーーあーーー…」
ニコちゃんの手や服がコーラで汚れた。
ニコちゃんはちょっと困った顔をしたけど、のこったコーラに口をつけた。
「あ、のめる。コレ、すきなやつ!カケルくんすごいね!」
目を輝かせて、嬉しそうにそう言うニコちゃんが可愛くて、可笑しくて、僕は笑った。
声を出して笑ったのはいつぶりだろう…
自分から出た笑い声すらも可笑しくて、笑いが止まらない。
ニコちゃんも僕につられて笑う。
僕は、笑って泣いた。
たくさん笑ったら、なんだか急に不安になった。
これから、どうしよう…
お父さん、お父さんと話がしたい…
そうだ、お父さんが帰ってくるまで待とう…
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