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天井にフタをしたような、何本も重なった階段の間に、ガラス張りの四角いモノが見えている。
しかしトムは、コーヒーカップに視線を戻し、
「そー‥‥。だけど‥‥行けない。だからお先、真っ暗なんだ」
ナオはコーヒーを飲み干して、
「なるほど‥‥。しかし、見えてますから何とかしたいですね‥‥」
ロンが、からかうように、
「キミは若い。何か良いアイディアでもあるかい?」
ナオは、考えながら周りを見てみた。
が、そのホールの壁にドアが二面だけ在るのが実状だった。
「あの二つのドアは?」
ナオが訊くと、トムが、
「オレたちの部屋のドアさ」
その時、ロンが思い出したように、
「多分、ナオの部屋のドアも、今晩あたり現れるだろう‥‥」
それを聞いてトムが、
「けっこう良い感じの部屋だよ、多分」
それを聞いていたナオが、
「あの‥‥ここにテレビはありますか?」
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