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そう。ナオ以外の二人は、何日もヘンテコ・ハウスのホールで、頭上の階段の構成を見詰め、完全に覚えてしまっていて、無意識にシュミレーションが出来ていたのだ。
だから、その階段に立った時、どう昇ればいいか分かったので、すんなり昇ることが出来たのだった。
しかしナオの頭には、まったくその用意が無かったため、二番目の階段を昇る時点で、迷ってしまったのだった。
台風のため荒れまくる空に向かってロンは、
「もっともっと雨よ降れー!」
トムも叫んだ。
しかし、どうやら台風は、一過の様子で雨も弱くなってきていた。
ロンは、そんな雨を見ながら、
「なんだよ‥‥。もう終わりか‥‥」
そして、雨水が溜まったヘンテコ・ハウスの中に向かって、
「おーいナオー! がんばって待っててくれー! ロープを探してくるからなー!」
しかし、それに対する反応は無かった。
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